税の豆知識

2008年7月号『加算税』


暑くなってきました。梅雨はいやなものですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は加算税を取り上げます。

所得税や法人税、相続税にしましても、申告をした後で計算違いなど、申告内容の間違いに気が付いた場合は、次の方法で訂正しなければなりません。




(1) 納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎた場合


更正の請求という手続ができる場合があります。この手続は、誤りの内容を記載した更正の請求書を税務署長に提出することにより行います。

更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から1年以内です。

更正の請求書が提出されると、税務署ではその内容の検討をして、納め過ぎの税金があるなどと認めた場合には、減額更正(更正の請求をした人にその内容が通知されます。)をして税金を還付することになります。

また、更正の請求ができる期間は、法定申告期限から1年以内と厳しい期限が設けられていますが、期限を経過したとしても、税務署長の行う更正、決定等の期限内で処理できる事柄も多くあると思われますから、税務署長に対し、充分納得のいく理由を附した嘆願書を提出することが大切です。

嘆願書という文言は、税法の規定にはありませんので、その取扱いについては税務署長の裁量に委ねざるを得ませんが、税務署長は、更正の請求の有無にかかわらず、申告が誤りであると認識すれば、その誤りが過大であろうと過少であろうと、真実の税額に是正することになっています。

ただし、税務署長は法定申告期限から5年以内に、納付すべき税額を減少させる更正をすることができる、と規定されていますので、5年を超えて減額の更正はできません。





(2) 納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合


この場合には、誤った内容を訂正するための修正申告をする必要があります。
この修正申告をする場合には、次の点に注意してください。

  1. 誤りに気がついたらできるだけ早く修正申告してください。
    税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、税務署から申告税額の更正を受けたりすると、新たに納める税金のほかに過少申告加算税がかかります。
    この過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%相当額です。ただし、新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%になります。
    (注)
    (1)税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。
    (2)確定申告が期限後申告の場合は無申告加算税がかかる場合があります。
  2. 新たに納める税金は、修正申告書を提出する日が納期限となりますので、その日に納めてください。
  3. この場合、納付の日までの延滞税を併せて納付する必要があります。
    この延滞税は、納める税金の額に対して、法定納期限の翌日から修正申告書を提出した日の翌日以後2か月を経過する日までの期間は、年「7.3%」で、それ以後は年「14.6%」の割合で計算します。
    ただし、年「7.3%」の割合は、平成12年1月1日以後、年単位で適用し、年「7.3%」と「前年の11月30日の日本銀行が定める基準割引率+4%」のいずれか低い割合となります(平成14年1月1日から平成18年12月31日までは4.1%、平成19年1月1日から平成19年12月31日までは4.4%、平成20年1月1日以後は4.7%となっています。)。

今回は以上です。




2008年の目次

12月号『事業承継2』
11月号『事業承継』
10月号『固定資産税』
9月号『住民税』
8月号『税理士事務所のあり方』
7月号『加算税』
6月号『所得税-その20…雑所得』
5月号『所得税-その19…一時所得2』
4月号『所得税-その18…一時所得』
3月号『所得税-その17…譲渡所得3』
2月号『所得税-その16…譲渡所得2』
1月号『所得税-その15…譲渡所得』
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