税の豆知識2005年10月号『消費税の仕組み-その2』今回は前回に引き続き消費税について述べさせていただきます。 消費税の免税(申告・納税義務がない)事業者の判定は、前々事業年度(基準期間)の課税売上が1000万円以下か否か、で判定します。 従来は3000万円以下か否かで判定されていたので免税事業者の方も多かったのですが、これで大多数の事業者が消費税の課税事業者となりました。 しかし、新たに設立された法人については基準期間が存在しないため、設立1期目及び2期目は原則として免税事業者となります。多くの個人事業者は、これを機に法人成りしたことではないでしょうか。 同時に簡易課税制度を利用できる課税事業者の判定も、従前の2億円以下か否か、から5000万円以下か否か、と厳しくなりました。 しかし課税売上5000万円以下という顧問先は私の事務所にも多く、まだまだ使える制度です。この制度は、仕入控除税額(仕入や経費の消費税)を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。 この一定割合をみなし仕入率といい、売上を卸売業、小売業、製造業等、サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。 みなし仕入率は
もっと簡単に言いますと
が申告納付消費税となります。 一般的に簡易課税制度を選択したほうが有利(申告納付消費税は少なくなる)になりますが、簡易課税の場合は消費税の還付はありえず、必ず納付することになります。 つまり前回の記事で挙げたような設備投資がある場合などは、一般課税なら還付なのに簡易課税では納付になり、逆に不利となります。 制度の選択は事業年度開始前に届出書を提出しなければならず、原則2期は同じ制度を継続しなければならないので、将来の事業計画を見込んで選択する必要があります。 2005年の目次
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